仮説に対するアプローチ方法から見るAIのメリット・デメリット

AIは色々なことができる!すごい!

と聞くことは多く、実際にどんなことができるのかについての情報も徐々に浸透してきています。
しかし、まだイメージできていないことも多く、人間でもできることをAIにやらせる意味はあるのか?わざわざAIを活用する意味はあるのか?
といったことを考えていらっしゃる方は多いのではないかと思います。

そこで今日は、マーケターの皆さんがイメージがしやすいように、マクロな視点ではなくミクロな視点でAIのメリット・デメリットを考えていきます。テーマは、マーケティング業務における仮説立案に対するAI的なアプローチ方法のメリット・デメリットです。

仮説に対するアプローチは2種類ある

仮説に対するアプローチには2つの種類があります。
まずはこの2つの内容を確認していきます。

マーケティング業務では、顧客や商品についての仮説を立てて、それを検証し、その仮説が正しければ仮説に基づいた施策を実行するというプロセスを繰り返しています。
ここで多くのマーケターが好むのは仮説検証型のアプローチです。
仮説検証型のアプロ―チとは、事前に仮説を設定し、その仮説が正しいかどうかを検証していくアプローチ方法です。

具体的な例を考えてみます。

たとえばEC事業者にとっての優良顧客は日常的に自社で買い物を行ってくれる顧客です。リピーターになってもらうためにはどうすれば良いかを日々考える中で、深夜帯の売上は衝動買いによるものが多くリピート率は低く、日中の注文は日常的な購買として定着しやすいのではないか?という仮説を思いついたとします。

このような仮説が立てば、あとは深夜帯の購入者と日中の購入者を比較して顧客の優良度を分析したり、その後のサービス利用率に変化があったのかどうかなどを分析することで、この仮説が正しいかどうか検証を行えます。

これが仮説検証型のアプローチです。
マーケターの方が日々立てている仮説の大部分はこの方法で立てられたものではないでしょうか。

もうひとつは、仮説探索型のアプローチです。
仮説探索型のアプローチは、事前の仮説がない中で、データを用いて仮説を新たに見出すアプローチ方法です。

EC事業者の例ですと、顧客の属性や行動履歴に対するデータベースに対して、網羅的に全パターンの解析をかけていきます。この中で日中に購買を行う傾向がある人は優良顧客だ、という特徴が出てくればそれを仮説として採用することができます。
良さそうな仮説が見つかれば、あとはその仮説を分析・検証していくことになります。

仮説検証型と仮説探索型のメリット・デメリット

では具体的にそれぞれのアプローチ方法にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

仮説検証型のメリット

  • ピンポイントに仮説を証明していけば良いので、仮説探索型に比べてハードルが低い
  • 優秀なマーケターの仮説が8割は当たっているものであり、精度が高くなりがち
  • 仮説が立つ理由を予め想定できるので施策にも落とし込みやすい

仮説検証型のデメリット

  • 仮説を思いつかない場合は何もできない
  • 自分が想像もしていないような仮説はそもそも思いつけないため仮説立案の数と幅に限界がある

仮説検証型では、仮説を1つ1つ検証していく作業を繰り返すものなのでシンプルでわかりやすいという特徴があります。マーケターが仮説を立てるときには、仮説の背景となる理由を想定した上で仮説を立てるので、その後の施策に落とし込みやすい点もメリットです。
一方で、仮説を思いつかないことには何もできず、また自分の想像の範囲外の仮説はそもそも思いつき得ないことがデメリットです。

仮説探索型のメリット

  • 人力では行えないビッグデータに対する分析を行える
  • 思いもよらない仮説に行きつくことがある

仮説探索型のデメリット

  • アプローチ方法が仮説検証型に比べてハードルが高い
  • 見出した仮説の根拠が不明なので、仮説を元に根拠を考える作業が必要

仮説探索型では、膨大なデータを用いて「こんな仮説があるなんて思わなかった!」という仮説を発見できる可能性があります。これが一番のメリットです。
一方で、データ分析の技術が必要であることと、仮説を見出した後もその仮説が本当に有効な仮説かどうかを検証する作業が必須であるため、技術的なハードルが高いことがデメリットであると言えます。

仮説探索型はAI的なアプローチであると言える

ここまで読んでいただけるとわかるように、仮説探索型のアプローチは、それ自体はAIではないものの、性質としてはAI的なアプローチであると言えます。

AIでは、膨大なデータを、網羅的に処理して、解を導き出し、その解を人間が判断する必要があります。
仮説探索型のアプローチはこの特徴にそのまま当てはまるものです。

AI活用を考える上での社内活用のイメージの一助にしていただければ幸いです。

 

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