サザエさんのジェンケンでパーが5連続来ることをAIでは予測できない

2020年6月7日放送のサザエさんで番組史上初のじゃんけんで5連続パーが出ました。サザエさんのじゃんけん愛好家の間では大事件として話題になっています。

「サザエさん史上初、じゃんけんで「5回連続」同じ手を出す大事件 「4連続」すら29年間で3度目」

サザエさんのじゃんけん愛好家って何なんだ、と思われる方がいらっしゃると思いますが、世界は広いもので、じゃんけん愛好家の方は意外なほど多くいるようです。特に機械学習を使って予測を行う動きが盛んであり、少し調べただけでも以下のような情報がすぐにヒットしました。

また最もこの業界でメジャーなサイトは、

「サザエさんじゃんけん研究所公式ウェブサイト」

になります。

そんなサザエさんじゃんけん界隈ですが、今回5連続パーを予測できたモデルはなかったようです。今回のじゃんけんは過去に前例がないケースという「AIが苦手なこと」の最たるものであると言えます。

サザエさんのじゃんけんはランダムではない

ところで、5連続パーが出る確率は単純計算で1.2%であり、十分に起こり得る事象であるように思えます。ですがサザエさんのじゃんけんはどうやら機械的にランダムに出す手を変えているわけではなく、番組制作者が考えて変えているらしいことがわかっています。

実際に過去29年間にパーの次に出た手の割合を見てみると、グーが35%、チョキが44%、パーが21%、更に、2連続パーの次に出た手の割合はグーが36%、チョキが58%、パーが6%であるそうです。

ランダムではないからこそ予測が成り立つわけですね。

ちなみに新年1発目の放送では24年連続でチョキが出ている、など様々なパターンが研究されているので興味がある方は調べてみてください。

前例がないことは予測できない

さて、本題ですがAIでは過去に前例がないことを予測することは困難です。サザエさんの5連続パー、コロナウィルス、リーマンショックなど世の中では未曾有の事件がまま起こります。こういった過去に前例がないことを統計や機械学習を用いて予測することは基本的にはできません。

また機械学習だけの欠点というわけではなく、人が予測することも困難です。

もし100回連続でじゃんけんでパーを出している人がいたとして、次の勝負で何を出すのか予測するとしたらほとんどの人はまたパーを出すだろうと思いますよね。AIや人は過去の結果(データ)を元に予測を行うので、前例がないことを予測できる確率が下がるのは当然のことです。

金融の世界ではこのような発生確率の低い大きな事件のことを「テールリスク」と呼びます。テールリスクにどう備えるのかは金融業界に限った話ではなく、ビジネスでも重要なテーマです。

想定外の事態は常に起こり得ると考える

仮にサザエさんのじゃんけんで5連続パーの確率は0%であると予測して、グーやチョキに全財産を賭けていた人は今回の大事件で破産してしまいました。

サザエさんの例で考えるとバカバカしく思えますが、実際にはこのような博打はビジネスの世界でも日常的に行われています。発生確率が0%だから考慮しなくてよい、として行動した結果、想定外の事態が発生して失敗してしまった例というのはそこかしこで見られます。

ビジネスにおける意思決定では想定外の事態が常に起こり得ると考えておくことが重要です。また、AIを考える上での注意点としても同じことが言えます。AIの予測が100%だったとしても、それは過去の実績に基づいた予測であるため、前提条件が異なれば予測とは異なる結果が返ってきます。

たとえばコロナ以前と以後とでは人の行動様式が変わっているため、コロナ以前に作った行動様式に関するモデルを直接今の市場に当てはめても良い結果が得られないだろうことは容易に想像がつきます。

予測結果が100%だとしてもアクセルを全開にしないという守りの姿勢も大切だなと、サザエさんの事件を見て考えさせられました。

 

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