コグニティブという概念について

コグニティブ、あるいはコグニティブコンピューティングという言葉があります。マーケティング業界にいらっしゃる方やマーケターの方であればどこかで聞いたことのある言葉かもしれません。

実はこのコグニティブという言葉の意味や概念については、明確に定まった定義がなく、言葉が一人歩きしていたり、出てくる情報が間違っていたりします。そこで本日はコグニティブの意味・意義について書いてみたいと思います。

コグニティブとは?

英語で「認知の」を意味する単語です。IBMが2011年に提唱した概念であり、単語の歴史はまだまだ浅い言葉です。コグニティブシステムとは自ら認知する仕組みのことを指します。つまり、与えられた情報を単純に処理するのではなく、人間のように情報を理解・推論・予測することのできる仕組みです。

人間のように情報を理解するということは、構造化データだけではなく、非構造化データの処理も行えるということを意味します。従来のコンピューティングでは同じインプットを与えれば、出てくるアウトプットも同じになります。ところがコグニティブの世界では同じインプットを与えても、状況に応じて異なるアウトプットが出力されることがあり得るのです。

ここで注意しなければならないのは、コグニティブはあくまでもIBMが提唱した概念であり、現時点でアカデミックの世界や産業界で統一された定義がある概念ではないことです。提唱したのはIBMですが、そこから先は言葉が独り歩きしています。明確な定義がないという意味では、同じことがAI(人工知能)にも言えますね。

今あるコグニティブコンピューティングとは?

では今あるコグニティブコンピューティングにはどのようなものがあるのでしょうか?あるいはどのようなものであればコグニティブコンピューティングだと見做せるのでしょうか?

少なくとも以下の2点のいずれかを満たしている必要があります。

  • 生物的リアリズムを持ったシミュレーション
  • 人的プロセスのシミュレーション

つまり、コグニティブコンピューティングとは特定のアルゴリズムや機械学習のテクニックを使ったもののことを指す言葉ではありません。「認知する機械」という直訳が想起させるような思考する機械は現状存在していません。人間の脳をシミュレーションするためには、あと数十年かかるとも数百年かかるとも言われているのが現状です。

いずれにせよ今コグニティブであると宣伝されているマシンやサービスは、真にコグニティブコンピューティングであるわけではなく、コグニティブであることを目指しているに過ぎません。今はコグニティブコンピューティングは存在していない、というのが最も正確であるように思います。

当分の間、認知するのは人間の仕事

そのため現在はAI活用において認知と言える能力を活用するのはあくまでも人間の仕事です。AIのアウトプットを人間が認知する(思考する)一連の流れが、最もコグニティブコンピューティング的であると言えるでしょう。

人間は皆コグニティブな生き物です。AI活用においてはその長所を生かしてAIを使用するのが効果的であるように思われます。なんだか取り留めのない話になってしまいましたが、本日は以上です。

 

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